筋萎縮性側索硬化症(ALS)を公表しているニャンちゅうの声優でおなじみ津久井教生(つくい きょうせい)さん(61)が、気管切開の手術を受けて声を失ったことを自身のブログで報告されました。
本当に大変なことだと思いますが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)はどのようにして発症したのでしょうか?
ここでは津久井教生さんが筋萎縮性側索硬化症(ALS)を公表されてから現在に至るまでを調べました。
津久井教生さんが筋萎縮性側索硬化症(ALS)を公表
津久井教生さんのプロフィール
- 本名:津久井 教生(つくい のりお)
- 生年月日:1961年3月27日
- 年齢:61歳
- 出身地:東京都新宿区
- 血液型:A型Rh+
- 身長:164㎝
- 体重:62㎏
- 職業:俳優・声優・音響監督・司会者・ミュージシャン
- 事務所:81プロデュース
- 学歴:埼玉県立朝霞高等学校→日本大学芸術部放送学科(中退)→劇団薔薇座
津久井教生さんは声優でデビューされていますが、声優以外にも俳優や音響監督・司会者・ミュージシャンなど幅広く活動されています。
本職の声優業では1990年頃から「アンパンマン」や「ちびまる子ちゃん」といった国民的アニメに出演するなど仕事は順調で、1992年には代名詞ともいえるニャンちゅう役に抜擢され、以来30年もニャンちゅう役を務められてきました。
津久井教生さんが務めたニャンちゅうといえば、子供の時に誰しもが見たことがあるのではないでしょうか?
その可愛らしいルックスと独特なガラガラ声で日本国民に愛されているキャラクターの1人ですよね。
またニャンちゅうのガラガラ声は相当喉に負担がかかると思われますが、それを30年も続けてこられたのは本当にすごいと思います。
2019年10月2日に筋萎縮性側索硬化症(ASL)を公表
津久井教生さんは2019年10月2日に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を公表されています。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とはどういった病気なのでしょうか?
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは?
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・喉・舌の筋肉・呼吸に必要な筋肉がだんだん痩せて力がなくなっていく病気なんです。
しかし筋肉自体が病気というわけではなく、筋肉を動かし運動させる神経が障害を受けることで、脳から「動かせ」という命令がうまく伝わらなくなります。
筋肉を動かさないことで結果として筋肉が瘦せていく病気なんです。
その一方で体の感覚・聴力・視力・内臓機能は普通に機能しているので、筋萎縮性側索硬化症(ALS)だと気づきにくいという特徴があります。
実際に津久井教生さんの場合も、筋萎縮性側索硬化症(ALS)だと知らされるまでは自身の運動不足が原因と思っていたようです。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因は?
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因に関しては、今のところ十分には解明されていないんです。
ただ、ALSの約10%は家族内で発症することが確認されていて、家族内に同じ病気の人がいれば発症してしまう可能性があります。
そのため別名家族性ALSとも呼ばれています。
津久井教生さんは筋萎縮性側索硬化症(ALS)と公表されましたが、症状はいつから出ていたのでしょうか?
症状はいつから?
つまづいていないのに転んだ
症状が出始めたのが2019年3月の事だと言います。
その時の状況を
坂の上にあるスタジオに向かう最中に前から右折車が来たので小走りに道路を渡ろうとしたところ、何もない場所であるにもかかわらずつま先が思ったよりも上がらず、盛大に転んでしまった
運動神経と体幹バランスには自信があった私としてはショックを受けた出来事でした。
引用元:ALSと生きる
と語っています。
さらに数日後にも平坦な道の段差で同じように転びかけたそうです。
その後は階段の上り下りに若干の疲労感を感じていたそうですが転ぶことはなくなったそうで、この時点では自身でも
「基本的に運動不足からくる筋力低下」に過ぎない
引用元:ALSと生きる
と思っていたそうです。
確かに疲労感がある時は周りに注意が行きにくく、転びかけても疲れているからだと思ってしまいますよね。
また、津久井教生さんは自分でも運動神経と体幹には自信があったと語っています。
自信がある人はそんなはずはないと他の視点から物事が見えずらくなりがちです。
なので津久井教生さんも自分の異変に気付くことが遅れてしまったのではないかと考えられます。
またそういう病気があることを知っていなければなおさら気づくことは難しいですよね。
血液検査でLD(乳酸脱水素酵素)が異常な数値に
津久井教生さんは半年ごとに血液検査を行っていたそうなんですが、その血液検査でLD(乳酸脱水素酵素)の数値が異常に高い結果が出て、「MRI」や「CT」のある病院での検査を勧められます。
この頃から太ももが上がりにくく歩きづらくなっていた事と、LD(乳酸脱水素酵素)の1200以上というあまりにも高い数値から、「肝臓・赤血球・筋肉・悪性腫瘍」の問題があるのではないかと診断を受けます。
検査結果で異状はなかったため経過観察に入りますが、運動能力の低下が進み6月半ばには階段の上り下りどころか平地を歩くのも困難になり、その後神経内科を受診することになります。
検査結果で異常は無かったと言われても経過観察ではなく、すぐにでも別の病院で検査してもらうことで早期発見することができたかもしれません。
ただ医師に経過観察と言われたらその通りにするほかありません。
2019年9月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)と告知される
神経内科での最初の見立ては「重症筋無力症」という難病指定されている病気でしたが、この時点でははっきりとわからなかったそうで、また1カ月の経過観察と診断で検査入院されます。
この時には自力歩行が困難で杖がなければ歩けない状態だったそうです。
ここでも1カ月の経過観察と診断で検査入院されますが、経過観察は必要ないように思うのですが。
そして血液検査や筋生組織検査等の治療をしていき、残ったのが「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」で、病名が判明した時には、症状が出始めてから約6カ月が経過していました。
もっと早く病名は判明しそうですが、「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」は裏を返せばそれだけ発見・判断が難しい病気と言えます。
そんな大変な病気にかかってしまった津久井教生さんですが、この時の心境を
大変な病気にかかってしまったのですが、私自身は「名無しの権兵衛病」が「ALS」という病気であるとはっきり分かったことで、この時点ではスッキリとした気分でした。
引用元:ALSと生きる
と語っています。
難病と診断されたらとてもショックだと思うんですが、スッキリとした気分と語っている津久井教生さんは本当に強い方なんだと思います。
その後2019年10月2日に筋萎縮性側索硬化症(ALS)であることを公表され、車いす生活をされています。
「ALSと生きる」で連載を開始
津久井教生さんは筋萎縮性側索硬化症(ALS)を公表されてから講談社が刊行する「FRaU(フラウ)」にて「ALSと生きる」の連載を2020年4月から開始されています。
連載をしようと決めた理由は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の事を多くの人に知ってもらおうと思ったからだそうです。
2019年12月腫瘍の摘出手術を受ける
実は津久井教生さんは筋萎縮性側索硬化症(ALS)を告げられたほぼ同時期に、「副腎骨髄脂肪腫」という腫瘍があることを告げられているんです。
この手術をすることでALSの病状進行が緩和される可能性や進行する可能性、人工呼吸器が外せなくなる可能性もあったそうなんです。
こういった情報を聞いてしまうとすごく不安になってしまいますよね?
実際に津久井教生さんも手術をするかどうか悩んでいたんです。
そんな時主治医の先生・事務所の社長・仕事仲間・奥さんが前向きな言葉をかけてくれて、その言葉で手術を受ける決心をしたそうです。
その時の状況を
かみさんとも「いきなり破裂して死んでいた可能性もあるとしたら、今見つけてもらって良かったのかもね」と話しました、ポジティブ夫婦は「手術して腫瘍を取ったらALSが良くなるかもね」「うん、よしやっちゃおう!」
という事で気持ちは固まりました♪
引用元:ALSと生きる
と綴っています。
不安になる時に周りからのアドバイスや前向きな言葉があるとすごく救われますよね?
津久井教生さんにとって奥さんや身近な人の存在はとても大きかったのではないでしょうか。
そして2019年12月12日に手術が行われ無事成功し、そこからリハビリ生活が始まります。
2021年2月には手がほとんど動かなくなる
リハビリを続けていた津久井教生さんですが、2021年2月頃には手がほとんど動かず割り箸を口でくわえてキーボードを打つような状態になります。
手が動かなくなってしまうと書くことをあきらめてしまいそうですが、津久井教生さんは違うんです。
持ち前の前向きさで「視線入力」という視線で文字をとらえ、それを文字化して意思を伝える技術のトレーニングを開始されるんです。
「視線入力」にチャレンジする理由を
「キーボード」が打てなくなって、このような発信が出来なくなってきたからなのです。
引用元:ALSと生きる
と語っています。
打てなくてあきらめるのではなく、どうやったら発信出来るかを考える前向きな考え方は本当にすごいですよね。
それで実際に発信を続けられ「ALSと生きる」の連載も続けられていて、現在63回にもなるんです。
2022年末に気管切開手術を受ける
闘病中でしたがの筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病状が進行してしまい、2022年末には気管切開手術を受けることになります。
所属事務所の81プロデュースは
津久井教生は、かねてより闘病中の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状が進行し、昨年末に気管切開の手術を行うと同時に人工呼吸器を装着いたしました
引用元:ORICON NEWS
幸いにも、年明け早々に退院をすることが出来て現在は自宅での生活に戻っております
現在、残念ながら声を発することは大変厳しい状態となりましたが、津久井本人はこれまで通り前向きに病と向き合い、頑張って日々を過ごしております
引用元:ORICON NEWS
と現在も闘病中であることを伝えています。
気管切開をすると呼吸は楽になるんですが、空気が声帯を通らないので声が出せなくなってしまうんです。
声が出せなくなることから気管切開をしないと決断する人が7割と言われているんです。
実際に津久井教生さんもニャンちゅうの声優を30年も続けてこられ、しゃべることは最大の楽しみとおっしゃられているように、最初は気管切開をしないと決めていたそうです。
しかし最終的には気管切開をすることを決めます。
何よりも妻が言ってくれた「生きればいいじゃん」という言葉。
引用元:ALSと生きる
この「生きればいいじゃん」は心に響きました。
気管切開をしないという多数決はくつがえって、「気管切開をする」という決断にいたりました。
と気管切開をすると決断した理由を語っています。
やはり津久井教生さんにとって奥さんの存在はとても大きいようです。
現在は自宅で闘病中という事ですが、どんなに困難でも持ち前の前向きな気持ちで乗り越えてくれると信じています。
津久井教生さんが回復して、またニャンちゅうとして戻って来てくれることを願いましょう。
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