上野動物園のジャイアントパンダシャンシャンが中国に返還されるニュースがあり話題になっています。
シャンシャンは日本で生まれ絶大な人気を誇っていましたが、なぜ今回中国に返還されたのでしょうか?
気になる日本でジャイアントパンダが見れる場所を調査しました。
シャンシャンはなぜ中国に返還されたの?
シャンシャンは日本で生まれたのにもかかわらず、なぜ中国に返還されたのでしょうか?
それには東京都と中国の「中国野生動物保護協会」との条約が関係しているんです。
「中国野生動物保護協会」との条約
「中国野生動物保護協会」と東京都が結んだ条約の正式名称は「ジャイアントパンダ保護研究実施の協力協定」と言います。
この協定ではジャイアントパンダの所有権は中国側にあると定められているので、協定で決めた期間が過ぎると中国へ返還しなければならないんです。
ジャイアントパンダを東京都が買い取っていれば問題なかったように思われる方もいると思いますが、ではなぜこのような協定を結ばなければならなかったのでしょうか?
それにはワシントン条約が関係しています。
ワシントン条約とは?
正式名称を「絶滅のおそれのある野生動物の種の国際取引に関する条約」といい、米国のワシントンD.C.で採択されたことからワシントン条約という通称で呼ばれています。
様々な要因で絶滅の危機に瀕している野生動植物を保全するため、輸入国と輸出国が協力して国際取引の規制を実施することが定められています。
国際取引の規制が必要と考えられる野生動植物の種がリストアップされており、その中にジャイアントパンダも含まれています。
絶滅のおそれのあるジャイアントパンダ
ジャイアントパンダは森林の伐採や密猟などの影響で、絶滅の危機におかれIUCN(国際自然保護連盟)が作成している「レッドリスト」には危急種とされています。
以前までは2003年の段階では約1600頭だった個体数も、保護活動のおかげで2015年には約1800頭となり現在では約2000頭まで増え、それまで絶滅危惧種でしたが2016年からは危急種に引き上げられました。
しかし危急種に引き上げられたとはいえ「絶滅のおそれのある野生動物」ということには変わりがないため、ワシントン条約により商業目的での取引が禁止されています。
なので東京都はジャイアントパンダを買い取ることができず、日本にやってくるジャイアントパンダは「日中共同飼育繁殖研究」という研究目的で借りている状況なんです。
なので今回協定で決めた期限が過ぎたためシャンシャンは中国に返還されることになったんです。
シャンシャンの返還予定は5回も変更された
シャンシャンはもともと2020年末に返還される予定でしたが、コロナ禍の影響で5回も延期されているんです。
感染状況が落ち着き飼育員が往来できる環境が整ったことから、2023年2月21日の返還が確定しました。
シャンシャンが返還されるのはとても悲しいですよね。
日本にとってもシャンシャンの存在は大きく、シャンシャンが生まれてからこれまでに、推定で600億~650億円もの経済効果があったとされているんです!
この経済効果がどれだけすごいのかというと、現在開催されている第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本代表が優勝した場合の経済効果が約596億円と推定されています。
シャンシャンの存在は、日本国民が熱狂しているWBCを上回る経済効果があったと推定されているんです。
またWBCは日本代表選手が約30人なのに対し、シャンシャンはたった1頭で日本全体に大きな経済効果をもたらしていることを考えても、どれだけすごいかが分かりますよね。
シャンシャン返還について世間の声は?
というような悲しみの声が多く上がっているようです。
やはり日本国民にとってシャンシャンの存在はとても大きかったという事が分かりますね。
日本でジャイアントパンダが見れる場所は?
今回シャンシャンが中国に返還されて悲しいですが、シャンシャン以外のジャイアントパンダを日本で見ることができるんです!
今回シャンシャンが返還されたことと、2月22日には和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドに住む「永明」「桜浜」「桃浜」が中国へ返還されることから、日本国内のジャイアントパンダは全部で9頭になります。
残りの9頭のジャイアントパンダを見ることができる日本国内の場所を紹介します。
ジャイアントパンダが見れる場所①:上野動物園(東京)
1つ目が東京都台東区にあるシャンシャンもいた「上野動物園」が有名です。
上野動物園には現在オスの「リーリー」、メスの「シンシン」、子供の「シャオシャオ」「レイレイ」の4頭がいます。
上野動物園のジャイアントパンダの歴史は古く、約50年前の1972年10月28日にオスの「カンカン」とメスの「ランラン」が日本初来園したのが最初で、それ以降も上野動物園ではジャイアントパンダが飼育されてきました。
一時はあまりの人気のため抽選制で観覧されていましたが、現在は観覧列に並んだ順に案内する方法に変更されています。
ジャイアントパンダが見れる場所②:王子動物園(神戸)
2つ目が兵庫県神戸市灘区王子町にある「王子動物園」です。
王子動物園には現在メスの「タンタン」が飼育されています。
「タンタン」は2000年に中国から来園し今年で25歳のおばあちゃんパンダで、もともとは2020年12月末に中国に返還予定でした。
しかしコロナの影響と、「タンタン」の心臓疾患が継続的な検査による病状把握と適切な獣医医療が必要な病状であると日中の専門家の話し合いで、返還時期が延長されているんです。
タンタンは現在人間の80歳くらいにあたり、かなり高齢なため病状が心配されます。
現在も強心薬や利尿剤の投薬を続けているそうで、体調管理を優先するため観覧が中止されています。
「健康が回復し、また公開できる日が来ることを願って治療に手を尽くしたい」
引用元:朝日新聞DIGITAL
と園長も語っていることから、体調が回復してまた元気な姿を見せてほしいですね!
ジャイアントパンダが見れる場所③:アドベンチャーワールド(和歌山)
3つ目が和歌山県白浜町にある「アドベンチャーワールド」です。
アドベンチャーワールドには現在オスの「永明」、メスの「楓浜」「彩浜」「結浜」「桃浜」「桜浜」「良浜」の日本最多の7頭のジャイアントパンダが飼育されています。
しかし「永明」「桃浜」「桜浜」は2月22日に中国へ返還されることから、アドベンチャーワールドでは4頭のジャイアントパンダを見ることができます。
1988年に中国動物園協会と短期借受展示の契約を交わし、四川州省成都動物園から「辰辰」と「慶慶」が来園したのが最初です。
その後も16頭のジャイアントパンダの繁殖に成功しています。
ジャイアントパンダの繁殖は難しいとされていますが、アドベンチャーワールドでは繁殖率が高いので、今後もジャイアントパンダが増えていく事を期待しましょう!
まとめ
この記事では
- シャンシャンはなぜ中国に返還されたの?
- シャンシャンの返還予定は5回も変更された
- シャンシャン返還について世間の声は?
- 日本でジャイアントパンダが見れる場所は?
を調査しました。
日本でジャイアントパンダが見れる場所は少ないですが、一度は本物のジャイアントパンダを見てみたいですよね!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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